作品紹介

パトレイバー2theMovieをおすすめする3つの理由!平和ボケに物申す!

アニメは、時として社会問題に切り込む力を内包しており今よりほんの少し先の未来や別の可能性を見せてくれます。

その代表格が、抑えて欲しいアニメ7選最後の作品

パトレイバー2 the Movie」です。

押井守監督が「GHOST IN THE SHELL /攻殻機動隊」で世界に絶賛される僅か2年前にが作った劇場版作品です。

"ゆうきまさみ"さんの漫画原作である「パトレイバー」のキャラクターや時代背景を踏襲していますが"オリジナル要素が強く社会風刺が聞いています。

恐らくこういった作品は、今後作られることができないだろうと思われる作品です。

 

この作品をオススメする理由3つ

不測の事態に対応する人間と組織

後藤隊長の名台詞・押井守の映画は一人が100回は見る

後のアニメに多大なる影響を与えた一冊の演出ノート

 

簡単なあらすじ

産業用に開発されたロボット(レイバー)を使った犯罪を取締るため警視庁は警備部内に特殊部隊パトレイバー中隊を設立する。

専門部隊である特車2課に所属する面々が本作では事件に対応するが、TV版や漫画版とは一線をかいしており劇場版のストーリーは隊長である後藤と南雲しのぶ警部を中心にストーリーが進みます。

東南アジアの某国でPKO活動をしていた陸自のレイバー中隊がゲリラから攻撃を受け、発砲許可を得られないまま壊滅。生き残った男は、後に東京ベイブリッジをミサイルで破壊するという事件を起こす。

それをきっかけに、特車2課、警視庁や陸上自衛隊などを巻き込んだ大きな事件へと発展していくのです。

 

「パトレイバー2 the Movie」のここが凄い!

不測の事態に対応する人間と組織

本作は、パトレイバーという漫画原作をもとにはしていますがレイバーの戦闘シーンは劇中では殆どないです。

それなのに、パトレイバーファンならびに宮崎駿監督やジェームズ・キャメロン監督が絶賛しています。その理由は、日本という国のおかれている現状や矛盾をリアルに描いているからです。

この作品で問題提起されているテーマは幾つもあります。

 

・自衛隊による発砲許可問題

・コンピューターへのハッキングに対応する備え

・自衛隊と警察という組織の協調性

・官僚制度や縦社会の組織の脆弱性

・自分だけは、平和で安全だという思い込み

 

ここに挙げた問題は、作品が作られた1993年以降から現在に至るまでいまだ解決していない問題が幾つもあります。

こういったテーマは、政治批判と取られたりすることもあり映像化にあたっては敬遠されがちです。

本作が高く評価されているのは、単なるファンタジーとしてではなく不測の事態になった時に人はどのように対応するのか、組織はどのように機能するのだろうかという点を深く掘り起こしている点だと思います

それでいて、人の感情は一言では言い合わらせない複雑な感情から成り立っているという事を南雲しのぶ警部を通じて見せてくれているのです。

リアルさを出すため、現役のアナウンサーや一般の素人が声を担当(リメイク版ではプロの声優が担当)していたりその当時にある物を極力そのままに描き、現実感や臨場感を強調しています。

 

後藤隊長の名台詞・押井守の映画は一人が100回は見る

・宮崎駿の映画は100人が1回は見る 押井守の映画は1人が100回は見る

上の言葉は、ファンの人が書いた言葉の引用です。

それだけ、ファンに取っては刺さるものがあり影響力があるのが押井守監督のパトレイバーです。

ファンの心を捕まえて離さない名セリフ

戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。そして最高意思決定の場では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けている時は特にそうだ』

『何の話だ。少なくともまだ戦争など始まってはおらん』

『始まってますよとっくに。 気付くのが遅過ぎた。柘植がこの国へ帰って来る前、いやその遥か以前から戦争は始まっていたんだ。突然ですがあなた方には愛想が尽き果てました。自分も南雲警部と行動を共に致します』

『後藤君。君はもう少し利口な男だと思っていたがな』
『二人とも連れて行け』
『…たった今、自衛隊機の爆撃により、東京湾横断橋が!』
『…!!!』

『だから! 遅過ぎたと言ってるんだ!』

(劇中のセリフ・ファンサイト引用より)

このシーンの後藤さんの台詞は、警視庁で査問委員会にかけられている際に発した台詞です。

いつの時代も、安全で安穏とした日々が続くとそれが当たり前だと思うようになり危機意識や向上心が失われてしまうといった事を揶揄した台詞ではあります。

ファンの間では、個人ではどうにもならないことに社会がぶち当たった時パトレイバーを見直す方が多くいるようです。私も、社会全体や自分の置かれている現状について考える時見直します。

 

後のアニメに多大なる影響を与えた一冊の演出ノート

この映画で、押井守監督は一冊の書籍を出版されています。

Methods―押井守「パトレイバー2」演出ノート」

・何故、このレイアウトなのか?

・このシーンは何を意図しているのか?

そういった緻密な事を考えてワンシーン、ワンシーンを作り上げている事を細かく書かれた書籍ですが私が制作進行時代にかなり多くのアニメーターさんが参考にされていた本です。

この本のおかげで日本のアニメはパース(1枚の絵を立体的に見せるための技法)が重要視される頻度が大幅に上がりました。

"パトレイバー2 the Movie"は緻密な絵づくりをしており実在の建物なんかを詳細に描いています。それ故に物語に緊張感が生まれて映像に引き込まれていくのです。

1度ストーリーを楽しんだあと制作者になった気持ちでワンシーン、ワンシーンを見直してみると新たな発見があるかもですよ。

 

まとめ

本作は、万人受けする映画ではないと思います。

それでもお勧めした理由は、メディアやネット社会の情報を盲目的に受け入れるのではなく事件や事故を見た際に自分ならどうするだろう?

組織や家族をどう守るだろう?

という事を当事者意識を持って考えるきっかけになる作品だからです。

有名な言葉でマザーテレサの

愛の反対は憎しみではなく無関心です

という言葉があります。パトレイバーを見た時そんなことも意識してみるとお話の背景や登場人物の考え方が理解できると思います。

 

良作に触れて頂く機会に、この記事がなれば幸いです。

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