ルパン3世カリオストロの城は不朽の名作にして実は最終回?
オススメしたい第2作目は「ルパン3世カリオストロの城」
ルパン3世シリーズの映画化第2作目です。
テレビで何度も放送された作品なので多くの方もご覧になったはず、なので今回は私なりに少しマニアックな目線からこの作品を紹介いたします。
Contents
この作品をオススメする理由4つ
「緻密な設定。実在した人物。」
「ベンツに乗るルパン・フィアットに乗るルパン」
「躍動感のあるアクション・深みのあるセリフ」
「宮崎駿監督の映画デビュー作にしてルパンの最終回」
簡単なあらすじ
国営カジノのお金を盗んだルパンと次元。
お金を見たルパンはそのお金が、偽物だと見抜きます。
盛大に偽札をばら撒いたルパン達は、偽札の出どころである「カリオストロ公国」に向かう。
その道中で、カリオストロ伯爵に幽閉され逃げて来た花嫁姿のクラリスと出会う。ルパン達の活躍も虚しくクラリスは、再び囚われの身となってしまう。
別れ際、クラリスのしていた指を手にしたルパンは若い頃に自分を助けてくれた少女だと気付きクラリスを救出するために奮闘し始める。
「ルパン3世カリオストロの城」のここが凄い!
緻密な設定。実在した人物。
映像を作る上で細部まで設定にこだわる宮崎監督。
劇中で出てくる武器や車も実在する物が多く登場します。
なかでもカリオストロ公国の大公、カリオストロ伯爵は
「アレッサンドロ・ディ・カリオストロ」がモデルではないかと言われています。
・アレッサンドロ・ディ・カリオストロ
・1743年シチリア島パレルモ生まれと言われている。
・医師、錬金術師、山師など多くの肩書きで貴族などから巻き上げた金品を
貧しい人たちに分け与えていた(これについては諸説あり)
少し調べた経歴を見ても、怪しさが満載で実際の彼の人柄などは分かりませんが物語を作る上で影響を受けてもおかしく無い波乱万丈な人生を送った方です。
そのほかにも、劇中で登場する車
・ルパンの愛車:フィアット500
・回想シーンでのルパンの愛車:メルセデス・ベンツSSK
・ルパン達と冒頭カーチェイスをする車:シトロエン・2CV
・銭形のパトカー:日産・ブルーバード(410型)
劇中で登場する銃
・シモノフPTRS1941
・S&W(スミスアンドウエッソン) M27
・ワルサーP38
・MG34
実在する物を、詳細に調べあげルパンの世界観に合うようにアレンジして使っているあたりは宮崎監督と原作者モンキーパンチ先生のこだわりの深さを感じました。
ベンツに乗るルパン・フィアットに乗るルパン
本作は、ルパンシリーズとしては2作目の劇場作品です。
1作目は「ルパン三世 ルパンVS複製人間」、吉川惣司さんが監督を勤められています。
カリオストロの城では、ルパンは2台の車を乗り分けています。
・回想シーンの愛車メルセデス・ベンツSSK
・カーチェイスを繰り広げるルパンの愛車:フィアット500
今でこそ、ルパンの愛車はフィアット500として有名ですがTV版の1stシーズン前半の愛車はメルセデス・ベンツSSKしかもフェラリー製のV12気筒エンジンで300km/hでたのではと推測されています。
若かりし頃の、ルパンはかなりのドライビングテクニックだったのでしょう。
宮崎駿監督の映画デビュー作にしてルパンの最終回
本作のルパンは推定で36歳ぐらいではないかと言われていてカリオストの城を制作した当時38歳だった宮崎監督の年齢と近い年齢です。
宮崎監督が、カリオストロの城の映画化にあたり最早ルパンは時代から遅れてしまった中年のイメージに描きなおして作ったそうです。
そのことについて
・汚れた中年では、物語は作れません。
・「カリオストロの城」で、最後に「完」とした意味を考えて欲しい。
・ルパンの最終回と思って作りました。(アニメージュ81.1より)
と語っています。
今もなお、作り続けられるルパン3世シリーズは宮崎監督の中では既に最終回を迎えた物語だったわけです。カリオストロの城以降、宮崎監督がルパン3世作品に関わっていないのも頷けます。
躍動感のあるアクション・深みのあるセリフ
カリオストロの城のアクションシーンで私が好きなのが
・冒頭のカーチェイス
・クラリスのいる塔に飛び移るルパン
・時計台の歯車の上で伯爵とのおいかっけこ
どのシーンも、躍動感がありそれでいてどこかコミカル。
何十回もみましたが見ていて爽快で気持ち良くなります!
そして、ラストシーンで逃げていくルパンを追ってくる銭形警部とクラリスの
やりとり
銭形:「ルパンめ、まんまと盗みおって」
クラリス:「いえ、あの方はなにもとらなかったわ。私のために戦ってくださったんです。」
銭形:「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
クラリス:「はい」(どこか嬉しそうに)
ファンの間では、伝説的なセリフ。
ウィットに飛んでいて、それでいて誠実。
そんな、ルパンの世界観と愛すべき大泥棒達に私も心を奪われた一人です。
まとめ
シナリオ、セリフ、アクションどれをとっても非の打ちどころがなく歴代ルパン作品の中でも未だにカリオストロの城が一番好きと言う方が多いのも頷けます。
最後におまけの豆知識を一つ。
冒頭カジノから逃走したルパンと次元の他に実は・・・
ちゃっかり五右衛門もいるのですがあまり知られていないのです。
次回見る時に探して見てくださいね。
良作に触れて頂く機会に、この記事がなれば幸いです。