アニメ制作進行の仕事時間と給与のお話!経験談有り
当ブログの管理人は、元アニメ業界で制作進行をやっていました。
今回は、昔を振り返りつつアニメ業界のお金の話と仕事時間についてをお伝えしていきます。
私が業界に入る時に、知っていたら良かったなといった事を書いていきますのでこれから業界に入られる方の参考に成れば嬉しいです。
好きだからこそ長く続けるために知るべき
「制作進行のお仕事と業界的な地位」
「制作進行のキャリア形成とお金事情」
「業務委託ってなあに?」
制作進行のお仕事と業界的な地位
アニメ業界の制作進行のメインのお仕事は、TV放送を主体に日々の業務をこなされていることがほとんどです。
この記事で書いている制作進行は、映像制作会社のスタッフを指します。
アニメ「SHIROBAKO」などでその仕事内容を紹介されているのでご存知の方もいらしゃいますが、制作進行の仕事を簡単に説明します。
(制作進行の仕事)
担当話数の絵コンテが完成以降納品までの全ての工程に携わるお仕事です。
概ね1本から3本程度の話数を同時に担当することもある。
- 1話に関わる原画マンを集めるスタッフのアテンド
- 演出や作画監督を含め各行程のスタッフとの打ち合わせのセッティング
- 上がってきた原画やデータなどの物理的な移動
- 担当話数の行程がきちんと納期に間に合うか管理する進行管理
- 設定資料のコピーなど雑務全般、時には動画・仕上げの手伝いする方も
アニメ業界も、TV業界をもとに作られたシステムなのでTVでたまに芸人さんに弄られるADさんに近い役目が制作進行です。
制作進行のキャリア形成とお金事情
制作進行になると一般的に以下の流れでキャリアアップしていきます。
大体の人はキャリアップ途中で辞めちゃったりすることも多いので一般的な流れだと思ってください。
制作進行→制作デスク→(ライン)プロデュサー
人によっては、制作進行と設定制作を兼任したりする人もいます。
制作デスク:
- 制作進行を束ねてアニメの1シリーズを全体的に管理を担当する立場です。
- 制作会社の体制にもよるが、制作進行や設定制作など大体4〜6人程度を束ねてシリーズ全体の話数が放送に間に合うように調整する役目。
- 雑誌版権などの制作依頼などを同時に兼ねることもある。
- 実質的な制作現場の長で有りTV局的に言うとディレクターに近い立場、実際は町工場の工場長に近い。制作担当とかチーフマネージャーと呼ばれる会社もある。
ラインプロデューサー:
- 複数作品同時進行管理する制作管理の大親分的存在です。
- この立場は、小規模の会社では会社の社長が担当している場合もあります。
- 主にTV局の納品立会や会社の経営にも関わってくることが多いが個別の話数を管理している訳ではないので現場への関わり方は会社の規模にもよるようです。
肝心なお給料ですが、私の場合業務委託という契約で当時月20万でした。
20代前半だった私は、業務委託という契約がよく分かってなかったです 笑。
業務委託って何?
まだまだ、話は尽きないので今回は、アニメ業界であるよく言われる契約形態に関して一例を上げておきます。
- 正社員:アニメ業界に限らず、社会保険や利益が出てればボーナスなんかも頂ける。
- 業務委託:細かくいうと委任や請負といった分類があるが、アニメ業界の場合結構都合よく解釈されている場合が多くフリーランスの契約に近い。制作進行の場合は、フリーランスと正社員の間みたいな曖昧な状態が多いです。ただ基本的には、他社の仕事とかとっちゃダメ。社会保険やボーナスが無いことがほとんどです。
- フリーランス:制作進行の契約ではありえない働き方で殆どのアニメーターがこの形態で仕事をされています。自由に自分の仕事を決められる反面、保険も仕事も自分で取ってこないといけない厳しい契約形式です。
- 拘束:アニメーターの中でもかなり実力のある方が毎月の固定給を頂いて1社の仕事をメインに仕事をする契約です。一般的には、作監クラスと呼ばれる原画マンを監修する方や監督がこの契約を結ぶことが多いです。
まとめ
給与や待遇の面でいうとアニメ業界の中で制作進行は、ある程度固定した収入が入ってくる分、生活設計が組みやすい方だとは思います。
最近は、正社員として制作進行を募集しているところも増えているので制作進行を始める際は必ず契約条件をしっかり確認しましょう。
この記事がアニメ業界を目指す人の役に立つ事を願ってます。